夕方の空に、まるで火の玉のように赤く輝く光が現れることがあります。
一見すると隕石や火球のようですが、実は夕日に照らされた飛行機雲が、そのように見える場合があります。
飛行機雲が赤く見える主な理由は、夕方の太陽光が大気を長く通過する間に青い光を散乱させ、残った赤い光が飛行機雲を照らすためです。
その仕組みを、飛行機雲のでき方と夕焼けの原理から解説します。
飛行機雲はどうやってできるの?

飛行機雲は、主にジェット機が飛んだ後にできる、細長い雲です。
飛行機のエンジンから排出された水蒸気が、上空の冷たい空気と混ざることで冷やされ、小さな水滴になり、さらに凍って氷の粒になります。
この小さな氷の粒が集まったものが、飛行機雲です。
つまり、飛行機雲の正体は、主に小さな氷の粒でできた雲なのです。
上空の湿度が高いと長く残ることがあり、乾燥していると短時間で消える場合もあります。
夕焼けが赤く見えるのはなぜ?

太陽の光は白く見えますが、実際には赤・青など、さまざまな色の光が含まれています。
光は大気中の分子などにぶつかると、進む方向が変わることがあります。
この現象を散乱(さんらん)といいます。
特に、大気中の分子による「レイリー散乱」では、波長の短い青い光ほど強く散乱されます。
昼間は青い光が空全体に散らばるため、空が青く見えます。
一方、夕方は太陽が地平線に近づき、太陽光が大気の中を通る距離が長くなります。
すると、青い光が途中で多く散乱され、赤やオレンジ色の光が相対的に多く残るため、夕焼けが赤く見えるのです。
なぜ飛行機雲まで赤く光るの?

飛行機雲も、普通の雲と同じように太陽の光を散乱させています。
昼間はさまざまな色の光が当たるため、白く見えることが多くなります。
しかし、夕方には赤みを帯びた太陽光が飛行機雲を照らすことがあります。
その光が氷の粒によって散乱され、私たちの目に届くことで、飛行機雲が赤やオレンジ色に輝いて見えるのです。
特に、地上では日が沈みかけていても、高い空にある飛行機雲にはまだ太陽光が当たっていることがあります。
周囲の空が暗くなり始めると、明るく照らされた飛行機雲が目立ち、火の玉のように見える場合があります。
ただし、すべての飛行機雲が赤くなるわけではありません。太陽の位置や雲の高度、観察する方向などによって見え方は変わります。
本物の火球とは何が違う?

火球とは、宇宙から飛び込んできた小さな天体が、大気中を高速で進む際に非常に明るく光る現象です。
飛行機雲とは、光って見える理由がまったく異なります。
| 比較 | 赤く見える飛行機雲 | 火球 |
|---|---|---|
| 正体 | 飛行機が残した氷の粒の雲 | 大気中を高速で進む宇宙由来の物体による発光 |
| 光る理由 | 夕日などの光を散乱する | 高速で大気中を進むことで周囲が高温になり発光する |
| 見え方 | 細長い雲が残ることがある | 明るい光が短時間で移動することが多い |
ただし、写真や短い映像だけでは区別が難しい場合もあります。
赤い光が見えたからといって、必ず飛行機雲や火球だと判断できるわけではありません。
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まとめ|飛行機雲が赤く見える理由

飛行機雲が火球のように赤く見えるのは、夕方の太陽光に赤い光が多く残り、その光が飛行機雲の氷の粒によって散乱されるためです。
特に日没前後は、高い空にある飛行機雲だけが夕日に照らされ、鮮やかに浮かび上がることがあります。
不思議な空の光景にも、太陽光と大気の働きという科学的な理由が隠されているのです。
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