十勝はなぜ農業王国に?|豆で大金持ちになった『豆成金』の意外な歴史

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北海道の十勝地方は、小麦やジャガイモ、豆類、酪農などが盛んな「農業王国」として知られています。

ところが、十勝の農業が発展する過程には、豆を売って大金を稼いだ「豆成金(まめなりきん)」と呼ばれる人々がいました。

なぜ十勝では、豆で大金持ちになる農家が現れたのでしょうか?

その背景には、第一次世界大戦による農産物価格の高騰がありました。

目次

十勝はなぜ農業王国になった?

十勝が農業王国になったのは、広大な農地を開拓し、鉄道による輸送、土地改良、農業の機械化を進めてきたからです。

十勝平野には広い土地がありますが、最初から農業に適した土地だったわけではありません。

寒さや湿地、扱いにくい火山灰由来の土壌など、農業には多くの課題がありました。

それでも開拓や排水工事、品種改良を重ねることで、大規模な畑作が可能になっていきました。

その発展を後押しした出来事の一つが、大正時代の「豆景気」です。

「豆成金」とは?豆で大金持ちになった理由

豆成金とは、第一次世界大戦中の豆の価格高騰によって、大きな利益を得た農家や商人を指す言葉です。

1914年に第一次世界大戦が始まると、十勝で栽培されていたインゲン豆やエンドウなどの輸出が拡大しました。

海外での需要が増え、豆の価格が上昇したのです。

十勝では、もともと豆類の栽培が盛んでした。

そのため、価格が上がると大きな利益を得る人々が現れ、「豆成金」と呼ばれるようになりました。

北海道十勝総合振興局の年表によると、1916年から1919年ごろにかけて農産物価格が高騰し、豆成金や澱粉成金が続出しました。

つまり、十勝の豆景気は、地域の農業と世界経済が結びついた出来事だったのです。

豆景気はいつまで続いた?大暴落の結末

豆成金の好景気は、長く続いたわけではありません。

第一次世界大戦後の1920年、日本では戦後恐慌が起こり、農産物価格が大きく下落しました。

豆の価格が高い時期に利益を得た農家がいた一方で、価格の下落によって経営が苦しくなる農家も現れました。

高く売れるからといって、同じ作物だけに頼ることには危険があったのです。

この経験は、その後の十勝農業を考えるうえでも重要でした。

豆だけじゃない!十勝農業はどう発展した?

十勝では、その後、豆類に偏った農業から、複数の作物を組み合わせる農業へと発展していきました。

現在の十勝の畑作を代表するのは、次の4種類です。

主な作物特徴
小麦パンや麺などの原料
ジャガイモ食用・加工用・でん粉原料
豆類小豆・大豆・インゲン豆など
てん菜(ビート)砂糖の原料

これらを同じ畑で順番に栽培する方法を「輪作(りんさく)」といいます。

輪作は、病害虫の被害や連作による問題を抑え、農業経営を安定させるために重要な方法です。

さらに、土地改良や農業機械の普及によって、大規模な農業が発展しました。

十勝が農業王国になったのは、豆景気だけのおかげではありません。

開拓から始まり、失敗や価格変動を経験しながら農業を改良してきたことが、現在の十勝につながっています。

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『なつぞら』の舞台は豆成金が登場した大正時代より後ですが、十勝の農業を支えてきた人々の暮らしを知るきっかけになります。

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まとめ|十勝の農業王国は一日にしてならず

十勝が農業王国になった背景には、広大な農地の開拓、鉄道の発達、土地改良、農業技術の進歩がありました。

大正時代には第一次世界大戦によって豆の価格が高騰し、「豆成金」と呼ばれる人々が現れます。

しかし、戦後には価格が暴落し、農業経営の難しさも明らかになりました。

その後、十勝では輪作や機械化が進み、現在の大規模農業へと発展していきました。

豆成金の歴史は、十勝の農業が世界経済の影響を受けながら発展してきたことを教えてくれます。

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