「明日、また会おう!」
この「明日」、あなたなら何と読みますか?
「あした」「あす」「みょうにち」。
実は、どれも正しい読み方です。
同じ漢字なのに、なぜ3通りもあるのでしょうか?
答えは、異なる成り立ちをもつ言葉が、同じ「明日」という漢字で書かれるようになったから。
しかも、3つの読み方には、使う場面や言葉の響きにも違いがあるのです。
「あした・あす・みょうにち」の違いは?

3つとも基本的には「今日の次の日」を意味します。
しかし、言葉から受ける印象は少しずつ違います。
| 読み方 | 言葉の印象 | 使用例 |
|---|---|---|
| あした | 親しみやすい、日常的 | あした、遊ぼう! |
| あす | やや改まった、落ち着いた | あす、結果を発表します |
| みょうにち | 丁寧、改まった | みょうにち、お伺いします |
例えば、友達に「みょうにち、遊ぼう!」と言うと、少し堅苦しく聞こえませんか?
反対に、仕事で改まった案内をするときは、「あした伺います」より「みょうにち伺います」のほうが丁寧な印象になります。
意味は同じでも、場面によって自然に聞こえる読み方が違うのです。
「あした」は昔、「朝」という意味だった!?

3つの読み方のうち、特に意外な歴史があるのが「あした」です。
現在の「あした」は、今日の次の日を意味します。
ところが、古い日本語では、「あした」は「朝」を意味する言葉でした。
「夕べ(ゆうべ)」に対して「あした」という言葉が使われていたのです。
そこから、ある日の次の朝、さらに翌日全体を表すようになり、現在の意味へと変化していきました。
つまり、「あした」は最初から「翌日」を意味していたわけではありません。
「朝」という時間帯を表す言葉が、やがて「次の日」を表すようになったのです。
「あす」は古くから「翌日」を意味していた!
一方、「あす」は、古くから「今日の次の日」を意味する言葉として使われてきました。
奈良時代の『古事記』にも、「あす」に当たる言葉が登場します。
「あした」がもともと「朝」を意味していたのに対し、「あす」は古い時代から翌日を表していたのです。
現代では「あした」より少し改まった響きがあり、天気予報やニュース、案内などでもよく使われます。
さらに、「あす」には、単なる翌日だけでなく、「近い未来」「将来」という意味もあります。
例えば、
「あすを担う若者」
という表現です。
この「あす」は、文字どおりの明日ではなく、これから先の未来を意味しています。
「みょうにち」は漢字の音読みだった!
では、「みょうにち」はどこから来たのでしょうか?
実は、これは漢字の読み方から説明できます。
「明」の音読みは「ミョウ」。
「日」の音読みは「ニチ」。
この2つを組み合わせると、
明(ミョウ)+日(ニチ)=みょうにち
となります。
「あした」「あす」が日本語にもともとあった言葉なのに対し、「みょうにち」は漢字の音読みを組み合わせた言葉です。
そのため、現代では改まった印象が強く、丁寧な案内やビジネスの場面などで使われます。
ただし、「みょうにち」と言えば必ず丁寧になるわけではありません。
実際の丁寧さは、「お伺いします」など、文全体の表現によっても決まります。
「明日」を「あした」と読むのは間違い?

ここで、もう一つ意外な事実があります。
文化庁の『常用漢字表』では、「明日」の読み方として、付表に「あす」が掲載されています。
一方、「あした」は付表に載っていません。
では、「明日」を「あした」と読むのは間違いなのでしょうか?
いいえ、間違いではありません。
「あした」も国語辞典に載っている一般的な読み方です。
常用漢字表は、社会生活で漢字を使う際の目安を示したもので、日本語のすべての読み方を網羅するものではありません。
つまり、
- 「明日(あす)」は常用漢字表の付表に載っている
- 「明日(あした)」も日本語として正しい
- 「明日(みょうにち)」も正しい読み方
ということです。
学校の漢字問題などでは出題条件に注意が必要ですが、普段の日本語では3つとも使われています。
📚 もっと深く知る|『日本語 語感の辞典』
同じ意味でも、言葉の響きや印象が違う。
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例えば、今回の「あした」「あす」「みょうにち」についても、それぞれの語感の違いが説明されています。
「あした」はくだけた日常会話に合う言葉。
「あす」はそれより少し改まった言葉。
「みょうにち」はさらに改まった言葉。
普段何気なく選んでいる言葉にも、微妙な使い分けがあることに気づかせてくれる一冊です。
関連記事|読み方や意味が変わった日本語
日本語には、時代とともに意味や表記が変化した言葉が数多くあります。
例えば、「一生懸命」は、もともと「一所懸命」と書いていました。
なぜ「一所」が「一生」になったのでしょうか?

言葉の歴史を知ると、普段使っている日本語の見え方も変わってきます。
まとめ|「明日」の3つの読み方には、それぞれの歴史がある!
「明日」には、「あした」「あす」「みょうにち」という3つの読み方があります。
「あした」は、もともと「朝」を意味していた言葉。
「あす」は、古くから「翌日」を表していた言葉。
「みょうにち」は、漢字の音読みを組み合わせた言葉です。
現在はどれも「今日の次の日」を意味しますが、日常的な「あした」、やや改まった「あす」、さらに改まった「みょうにち」という語感の違いがあります。
同じ「明日」でも、読み方が変われば、言葉の印象も変わる。
これも、日本語の面白さの一つですね。
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