江戸城の門はなぜ迷路みたい?|敵を足止めする「枡形門」の秘密

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江戸城の門を通ると、まっすぐ進めず、途中で直角に曲がる場所があります。

「どうして、わざわざ通りにくくしたのだろう?」

実は、これには城を守るための理由がありました。

江戸城の門が迷路のようになっているのは、敵が一気に侵入できないようにするためです。

この仕組みを「枡形門(ますがたもん)」といいます。

どのような構造で敵を足止めしたのか、現在も残る桜田門を例に見ていきましょう。

目次

枡形門とは?2つの門で敵の進路を曲げる仕組み

枡形門とは、2つの門と石垣などで囲まれた四角い空間を組み合わせた、防御力の高い城門です。

江戸城の枡形門には、主に次のような構造が見られます。

  • 高麗門(こうらいもん):外側にある第一の門
  • 枡形の空間:門と門の間にある、石垣などで囲まれた場所
  • 櫓門(やぐらもん):上部に櫓を備えた第二の門

大きな特徴は、第一の門を通っても、第二の門へ直進できないことです。

進行方向を直角に変えなければならないため、勢いよく突入しようとする敵の動きを妨げられます。

つまり、門を複雑にしたのは、通行する人を迷わせるためではなく、敵の侵入を難しくするためだったのです。

なぜ直角に曲がると敵を足止めできる?

枡形門の防御上の利点は、大きく3つあります。

① 敵がまっすぐ突入できない

門が一直線に並んでいれば、第一の門を突破した敵は、そのまま奥へ進めます。

しかし、枡形門では途中で方向転換が必要です。

大人数が一度に押し寄せても、狭い場所で進路を変えなければならず、進む勢いが弱まります。

② 第一の門を突破しても、まだ第二の門がある

外側の高麗門を突破しただけでは、城内の奥へ進めません。

その先には、もう一つの櫓門があります。

敵が第二の門を突破しようとしている間に、守備側は防御を続けられます。

門を二重にすることで、一つ目が破られても防御を続けられるのです。

③ 守備側が敵に対応しやすくなる

枡形の空間は、石垣や門に囲まれています。

侵入してきた敵は動きが制限され、守備側から攻撃を受けやすくなります。

櫓門の上部などには守備の兵が配置され、侵入者に対応することが想定されていました。

ただし、枡形門があれば必ず敵を撃退できるわけではありません。

敵の動きを制限し、守る側を有利にすることが目的です。

江戸城の桜田門は、実際に枡形になっている

枡形門の仕組みを知るうえで、わかりやすい実例が外桜田門(そとさくらだもん)です。

現在の皇居外苑に残る桜田門は、高麗門と櫓門を直角に配置した枡形門です。

外側の門をくぐると、石垣に囲まれた空間があり、進行方向を変えて次の門へ向かう構造になっています。

環境省によると、桜田門の枡形は15間×21間で、現存する江戸城の城門の中では最も広い規模です。

桜田門は1961年に国の重要文化財に指定されました。

また、この門の近くは、1860年に大老・井伊直弼が襲撃された「桜田門外の変」の現場としても知られています。

江戸城の防御構造と幕末の歴史を、同じ場所で学べるのです。

枡形門は江戸城だけの仕組み?

いいえ。枡形門は江戸城だけに存在したものではありません。

戦国時代から近世にかけて、日本各地の城で発達した防御構造の一つです。

江戸城では、徳川幕府の政治的・軍事的な中心を守るため、多くの門に枡形の構造が取り入れられました。

現在も桜田門のほか、田安門や清水門などに、その特徴を見ることができます。

江戸城の枡形門は、城を守る工夫が実際の建築にどう表れているかを教えてくれる、貴重な遺構なのです。

また、城には、敵の侵入を防ぐだけでなく、権力者の威厳を示す役割もありました。

関連記事「狩野永徳は何をした人?|信長・秀吉が愛した天才絵師のすごさとは」では、城や御殿を飾った障壁画を通じて、城が持っていたもう一つの役割を解説しています。

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特に今回のテーマと関係が深いのは、江戸城の出入りを守った「江戸三十六見附」の解説です。

枡形門だけでなく、門・石垣・堀が組み合わさって、どのように江戸城を守っていたのかを理解できます。

この記事で枡形門の仕組みを知ったあと、実際の江戸城跡を歩いてみたい人にも向いている一冊です。

まとめ|江戸城の門が迷路みたいなのは防御のため

江戸城の門が迷路のように見えるのは、敵が簡単に侵入できないように工夫されているからです。

枡形門には、次の3つの特徴があります。

  • 進路を直角に曲げ、敵の勢いを弱める
  • 門を二重にして、侵入を防ぎやすくする
  • 石垣や櫓門を利用し、守備側が対応しやすくする

江戸城の門は、ただの出入り口ではなく、城を守るための防御装置だったのです。

現在も残る桜田門を訪れるときは、ぜひ2つの門の向きに注目してみてください。

何気なく通り過ぎていた場所に、城づくりの知恵が隠されていることに気づくはずです。

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