秋になり、冷たい風がビュービュー吹く日が増えてきました。
「今日はこんなに風が強いのに、木枯らし1号じゃないの?」
そう思ったことはありませんか?
実は、木枯らし1号は、ただ強い風が吹いただけでは発表されません。
東京地方では、吹いた時期、気圧配置、風向、風速という4つの条件を基本に、気象庁が総合的に判断しています。
では、どんな風なら「木枯らし1号」になるのでしょうか?
木枯らし1号とは?|秋から冬への合図
木枯らし1号とは、秋から冬へ季節が移り変わる時期に、初めて吹く北寄りの強い季節風のことです。
冬が近づくと、大陸側の冷たい空気が日本付近へ流れ込み、北寄りの風が強まることがあります。
その年、決められた条件を初めて満たした風が「木枯らし1号」として発表されます。
ただし、全国どこでも発表されるわけではありません。
木枯らし1号を発表しているのは、東京地方と近畿地方です。
しかも、東京地方と近畿地方では、判定に使う条件が少し異なります。
今回は、東京地方の条件を見ていきましょう。
東京の木枯らし1号|発表される4つの条件

気象庁が示す東京地方の基準は、次の4つです。
| 条件 | 東京地方の基準 |
|---|---|
| ① 時期 | 10月半ば〜11月末 |
| ② 気圧配置 | 西高東低の冬型で季節風が吹く |
| ③ 風向 | 西北西〜北 |
| ④ 風速 | 東京の最大風速がおおむね8m/s以上 |
この4項目を基本として、気象庁が総合的に判断します。
① 時期|10月半ばから11月末まで
木枯らし1号には、発表の対象となる期間があります。
東京地方では、10月半ばから11月末までです。
例えば、12月に強い北風が吹いても、東京の木枯らし1号としては発表されません。
木枯らし1号は、冬の訪れを知らせる季節の目安だからです。
② 気圧配置|西高東低の冬型

次の条件は、西高東低の冬型の気圧配置になっていることです。
これは、日本の西側に高気圧、東側に低気圧がある状態を指します。
この配置になると、大陸側から日本付近へ冷たい季節風が吹きやすくなります。
つまり、単に低気圧や台風の影響で強風が吹いたとしても、それだけでは木枯らし1号になりません。
③ 風向|西北西から北
風が吹いてくる方向にも決まりがあります。
東京地方では、西北西から北の風が対象です。
風向は「風が向かっていく方向」ではなく、「風が吹いてくる方向」を表します。
例えば、南から吹いてくる強風は、どれほど強くてもこの風向条件を満たしません。
④ 風速|最大風速がおおむね8m/s以上

最後は風の強さです。
東京で観測される最大風速がおおむね8m/s以上であることが目安になります。
8m/sは、時速に直すと28.8km/hです。
ここで注意したいのは、基準に使われるのが「最大瞬間風速」ではなく、最大風速だということです。
気象庁の最大風速は、10分間平均風速の最大値を指します。
一瞬だけ強い突風が吹いても、それだけで木枯らし1号と判定されるわけではありません。
風が強いのに木枯らし1号にならないのはなぜ?
ここまでの条件を整理すると、理由が見えてきます。
例えば、次のような場合です。
- 9月に強風が吹いた → 対象期間ではない
- 台風の影響で強風が吹いた → 冬型の季節風という条件を満たさない場合がある
- 南風が10m/s吹いた → 風向が違う
- 瞬間的に15m/sを観測した → 最大風速が基準に達したとは限らない
つまり、強い風であることと、木枯らし1号であることは別の話なのです。
台風が温帯低気圧に変わったあとも強風が続く理由については、下記の関連記事でも解説しています。

木枯らし1号が吹かない年もある?
実は、あります。
東京地方では、条件を満たす風が対象期間中に吹かず、木枯らし1号が発表されない年もあります。
例えば、2018年と2019年には東京地方で木枯らし1号の発表がありませんでした。
これは「その年は強い風が一度も吹かなかった」という意味ではありません。
決められた期間内に、木枯らし1号の基準に該当する風が確認されなかったということです。
ちなみに、2025年は11月3日に東京地方で木枯らし1号が発表されました。
木枯らし1号は毎年必ず発表されるものではなく、年によって時期も変わるのです。
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まとめ|木枯らし1号は「強い風」だけでは決まらない
東京地方で木枯らし1号が発表されるかどうかは、次の4つを基本に判断されます。
- 時期: 10月半ば〜11月末
- 気圧配置: 西高東低の冬型
- 風向: 西北西〜北
- 風速: 最大風速がおおむね8m/s以上
そのため、強風が吹いても、時期や風向などが合わなければ木枯らし1号にはなりません。
次に冷たい風が吹いた日は、天気予報で風向や気圧配置にも注目してみてください。
いつもの風から、季節が冬へ向かっていることを感じられるかもしれません。
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