海外のSNSや動画のコメントで、no capという英語を見かけたことはありませんか?
capといえば「帽子」。そのため、no capを直訳すると「帽子なし」になりそうです。
ところが、SNSではまったく違う意味で使われています。
no capは「マジで」「嘘じゃない」「本当だよ」という意味の英語スラングです。
なぜ帽子を表すcapが、こんな意味になったのでしょうか?
no capとは?意味は「マジで」「嘘じゃない」!

no cap(ノー・キャップ)は、自分の発言が本当であることを強調する表現です。
例えば、次の英文を見てみましょう。
This pizza is amazing, no cap!
「このピザ、マジで最高!」
文末のno capには、「大げさに言っているわけじゃないよ」というニュアンスがあります。
日本語の「ガチで」「盛ってない」「本当に」に近い表現ですね。
友達との会話やSNSの投稿など、くだけた場面で使われます。
なぜcapが「嘘」という意味になるの?

普段の英語でcapといえば、野球帽などの「帽子」を意味します。
しかし、アフリカ系アメリカ人英語(AAVE)に由来するスラングでは、capに「嘘」「誇張」「話を盛ること」という意味があります。
そのため、次のような関係になるのです。
| 英語 | スラングでの意味 |
|---|---|
| cap | 嘘・誇張 |
| capping | 嘘をつく・話を盛る |
| no cap | 嘘なし・マジで |
つまり、no capは「帽子をかぶっていない」ではなく、「嘘をついていない」という意味なのです。
ただし、「帽子で真実を隠すから嘘という意味になった」といった説明は、確かな語源として確認されていません。
capには古くから「上回る」「大げさに言う」といったスラングの用法があり、そこから現在の意味につながったと説明されています。
no capの使い方は?例文で覚えよう!

no capは、文末に添える使い方がわかりやすいでしょう。
① 本気で褒めるとき
That movie was incredible, no cap.
「あの映画、マジですごかった。」
単に褒めるだけでなく、「本当にそう思っている」という気持ちを強調しています。
② 自分の気持ちを伝えるとき
No cap, I’m really tired.
「マジで、すごく疲れた。」
このように、文頭で使うこともできます。
③ 相手の話を疑うとき
That’s cap!
「それ嘘でしょ!」
こちらはno capとは逆の意味です。
ただし、相手を嘘つき扱いする表現なので、使う相手や場面には注意しましょう。
なお、no capはカジュアルなスラングです。ビジネスメールや改まった場面では、honestly(正直に言うと)やI’m serious(本気です)などを使うほうが適切です。
no capはどこから広まったの?
no capは、突然SNSで生まれた言葉ではありません。
その背景には、アフリカ系アメリカ人英語と、アメリカのヒップホップ文化があります。
capやcappingには、以前から「誇張する」「嘘をつく」といった意味がありました。
そして、2010年代にはno capという表現がSNSでも使われるようになります。
2017年には、ラッパーのFutureとYoung Thugによる楽曲「No Cap」が発表され、表現の知名度がさらに高まりました。
その後、SNSや動画を通じて、より幅広い人々に知られるようになったのです。
no capは、SNSだけでなく、アメリカの言語文化や音楽ともつながっている言葉なのですね。
帽子の絵文字「🧢」も嘘を意味する?

SNSでは、帽子の絵文字「🧢」が、スラングのcapを表すことがあります。
例えば、誰かの発言に対して「🧢」と返信すると、「それ嘘でしょ」「話を盛っているでしょ」という意味になる場合があります。
反対に、🚫🧢は「no cap=嘘なし」を表すことがあります。
ただし、帽子の絵文字がいつでも「嘘」を意味するわけではありません。
普通に帽子を表している場合もあるため、前後の文脈から判断することが大切です。
『日本人が知らない いまどきの英語』でSNS英語を学ぼう!
今回紹介するのは、デイビッド・セイン著『日本人が知らない いまどきの英語』(PHP研究所)です。
学校で習う英語だけでは、海外のSNSやドラマに登場するくだけた表現を理解できないことがあります。
この本では、日常会話やメール、SNSなどで使われる、教科書だけでは学びにくい英語表現を紹介しています。
例えば、selfie(自撮り)やMy bad.(ごめんね)といった表現です。
ただし、本書は2016年刊行のため、現在使われている最新のスラングをすべて網羅した本ではありません。また、no cap自体が収録されているかは確認できていません。
英語のスラングに興味を持ち、身近な表現をさらに学びたい人におすすめの一冊です。
no cap以外にも面白い英語スラングがある!
海外のSNSでは、no capのように、直訳すると意味がわからない表現がたくさん使われています。
例えば、I’m dead. は直訳すると「私は死んだ」ですが、SNSでは「笑いすぎて無理!」という意味になることがあります。
詳しくは、下記の関連記事で解説しています。

また、誰かを褒めるときに使われるslayも、元の意味から大きく変化したスラングの一つです。
コチラもあわせて読むと、英語の意味が変化する面白さを感じられるでしょう。

まとめ|no capは「帽子なし」ではなく「マジで」!
最後に、今回のポイントを振り返りましょう。
- no cap=マジで・嘘じゃない・本当だよ
- スラングのcapには「嘘」「誇張」という意味がある
- アフリカ系アメリカ人英語やヒップホップ文化にルーツがある
- SNSでは🧢が「嘘」、🚫🧢が「嘘なし」を表すこともある
- 友達との会話やSNS向けのカジュアルな表現
no capのcapは、帽子ではなく「嘘」を意味するスラング。
英語は、辞書に載っている基本的な意味だけでなく、使われる文化や場面によっても意味が変わるのです。

