揚げナスはなぜおいしい?|渋み成分が減らないのに味が変わる科学

PR|この記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。

揚げナスは、とろっとした食感と香ばしさがおいしい料理です。

でも、同じナスなのに、ゆでたり蒸したりした場合と味が違うのはなぜでしょうか?

その秘密は、渋み成分が減ることではなく、渋みの「感じ方」が変わることにあるようです。

2026年9月、大阪公立大学が発表した研究では、揚げナスはほかの調理法よりおいしいと評価され、渋みも感じられにくいことが示されました。

しかも、渋みに関係するポリフェノールの量は、調理法によってほとんど変わっていなかったのです。

目次

揚げナスはなぜおいしい?研究でわかったこと

大阪公立大学の研究グループは、ナスを次の4つの方法で調理して比較しました。

  • ゆでる
  • 蒸す
  • 揚げる
  • 過熱水蒸気で加熱する

糖度やポリフェノール量、色、硬さなどを測定し、さらに男女55人に食べてもらって、おいしさや味の特徴を評価しました。

その結果、最もおいしいと評価されたのは「揚げたナス」でした。

揚げナスには、次のような特徴がありました。

  • 甘いと感じられる
  • 香ばしさや油の風味が感じられる
  • 渋みを感じる人が少ない

一方、ゆでたナスや蒸したナスなどでは、甘みを感じることが好ましさにつながり、渋みを感じることが好ましさを下げる傾向がありました。

つまり、調理方法によって、同じナスでも食べたときの印象が変わっていたのです。

渋み成分が減っていないのに、なぜ渋くない?

今回の研究で特に興味深いのが、ポリフェノールの測定結果です。

ナスには、クロロゲン酸などのポリフェノールが含まれています。

これらはナスの渋みに関係する成分です。

ところが研究では、調理方法を変えても、ポリフェノール量はほとんど変化しませんでした。

それにもかかわらず、揚げナスでは渋みを感じた人が少なかったのです。

ここから考えられるのは、次の違いです。

渋み成分の量が少ないことと、渋みを弱く感じることは、必ずしも同じではない。

私たちが食べ物を味わうときは、特定の成分だけでなく、香りや食感なども一緒に感じています。

揚げナスでは、香ばしさや油の風味といった特徴が加わり、渋みの感じ方に影響した可能性があります。

ただし、今回の研究だけで、どの要素がどの程度渋みを弱めたのかまで確定したわけではありません。

おいしさは「味の成分」だけで決まらない

私たちは食べ物のおいしさを、舌だけで判断しているわけではありません。

例えば、次のような要素も関係します。

要素揚げナスでの例
味甘みや渋み
香り揚げたときの香ばしさ
風味油の風味
食感やわらかさや口当たり

揚げナスのおいしさは、こうした複数の感覚が組み合わさって生まれていると考えられます。

今回の研究は、食品に含まれる成分の量だけでは、実際に感じるおいしさを説明しきれないことを示す興味深い例なのです。

食品のおいしさは、調理だけでなく保存方法によっても変わります。

冷凍するときの氷の結晶と食感の関係については、関連記事「冷凍食品はなぜ-18℃?」でも解説しています。

揚げる以外の調理法にもメリットがある?

今回の研究では、過熱水蒸気による調理にも特徴が見つかりました。

過熱水蒸気とは、通常の沸点より高い温度に加熱した水蒸気のことです。

この方法で調理したナスは、果肉がやわらかくなる一方で、皮の鮮やかな紫色や果肉の明るい色を比較的よく保っていました。

つまり、おいしさだけでなく、色や食感など、何を重視するかによって適した調理法も変わるということです。

揚げる方法だけが、すべての面で優れているわけではありません。

📚 料理のおいしさを科学で学ぶ|『調理の科学 おいしさの教科書』

今回の研究を知ると、こんな疑問も浮かびませんか?

「なぜ加熱すると食感が変わるの?」

「香りはおいしさにどう関係するの?」

「同じ食材でも、調理法で味が変わるのはなぜ?」

そんな料理の不思議を学ぶのにおすすめなのが、『しくみを知ればもっと楽しめる! 調理の科学 おいしさの教科書』です。

しくみを知ればもっと楽しめる! 調理の科学 おいしさの教科書 [ 石川 伸一 ]
  • 監修:石川伸一
  • 出版社:ナツメ社
  • 発売:2025年12月
  • ISBN:9784816378072

本書では、味と香り、調味料の役割、加熱調理、食材の特徴などを、イラストを交えて解説しています。

今回の揚げナスの研究と同じく、「おいしい」という感覚を科学的に考えてみたい方にぴったりの一冊です。

まとめ|揚げナスのおいしさは「感じ方」に秘密がある

2026年に発表された研究では、揚げナスが4つの調理法の中で最もおいしいと評価されました。

そして、渋みに関係するポリフェノールの量はほとんど変わらないのに、揚げナスでは渋みを感じにくいことがわかりました。

今回のポイントは3つです。

  • 揚げナスは、甘み・香ばしさ・油の風味が評価された
  • 渋み成分が減らなくても、渋みの感じ方は変わり得る
  • おいしさは味だけでなく、香りや食感などにも左右される

普段何気なく食べている揚げナスにも、私たちの感覚に関わる科学が隠されていたのです。

📚 化学をもっと体系的に学ぶ

化学は、物質の性質や変化を通して、私たちの身の回りで起きている現象を理解するための学問です。

しかし、原子・分子、化学結合、化学反応式など、基礎知識がつながっている教科でもあるため、途中で分からなくなると、その先の内容も難しく感じやすくなります。

そこでおすすめなのが、スタディサプリの高校化学講座です。

スタディサプリなら、講義動画を使って基礎から順番に学べるだけでなく、理解できなかった部分を何度でも見直せます。

スタディサプリで学ぶメリット

  • 基礎から体系的に学べる:知識を一つずつ積み重ねながら理解できる
  • 繰り返し復習できる:難しい化学反応式や計算問題も、自分が納得するまで確認できる
  • 自分のペースで進められる:苦手な単元を重点的に学び、理解している部分は効率よく進められる

ニュースや日常生活で出会った「なぜ?」を、確かな化学の知識へとつなげたい方にぴったりです。

化学を暗記だけで終わらせず、仕組みから理解したい方は、ぜひスタディサプリを活用してみてください。

▶【公式】スタディサプリ高校・大学受験講座

参考・出典

目次