「クラスに同じ誕生日の人がいる確率は、どのくらいだと思いますか?」
1年は365日もあるので、20〜30人程度のクラスでは、誕生日が一致することは珍しいように感じます。
ところが、数学で計算すると驚きの結果になります。
たった23人のグループでも、少なくとも2人の誕生日が一致する確率は約50.7%です。
これは「誕生日のパラドックス」と呼ばれる有名な確率の問題です。
なぜ、365日もあるのに23人で50%を超えるのでしょうか?
その秘密を、数学で解き明かしていきましょう。
誕生日が一致する確率は、23人で約50.7%!

まず、グループの人数によって、誕生日が一致する確率がどう変わるか見てみましょう。
| 人数 | 少なくとも2人の誕生日が一致する確率 |
|---|---|
| 5人 | 約2.7% |
| 10人 | 約11.7% |
| 20人 | 約41.1% |
| 22人 | 約47.6% |
| 23人 | 約50.7% |
| 30人 | 約70.6% |
| 40人 | 約89.1% |
| 50人 | 約97.0% |
なんと、23人で50%を超え、30人では約70%になります。
50人集まれば、約97%の確率で誰かの誕生日が一致する計算です。
ただし、これは次の条件を仮定した数学上の結果です。
- 1年を365日とし、2月29日は考えない
- どの日に生まれる確率も同じとする
- 一人ひとりの誕生日は独立しているとする
実際の誕生日には季節などによる偏りがあるため、現実の集団で必ずこの数値になるわけではありません。
なぜ23人で50%を超える?秘密は「253組」

誕生日のパラドックスが不思議に感じられる理由は、私たちが無意識に「自分と同じ誕生日の人がいるか」を考えてしまうからです。
しかし、この問題で調べるのは、23人の中の誰と誰でもよいので、誕生日が一致する確率です。
例えば、AさんとBさんが同じでも、CさんとDさんが同じでも、どちらも「一致した」と数えます。
では、23人から2人を選ぶ組み合わせは何通りあるでしょうか?
計算式は、
23×22÷2=253組
です。
たった23人でも、比較できる2人組は253組もあります。
23人という人数は少なく見えても、誕生日を比較する組み合わせは非常に多い。
これが、予想以上に高い確率になる理由です。
ただし、253組の一致確率を単純に足すだけでは正確な答えになりません。同時に複数の組が一致する場合もあるためです。
そこで、次の方法で計算します。
誕生日が一致する確率の計算方法|「全員違う確率」から求める

23人の中で誰かの誕生日が一致する確率を、直接計算するのは大変です。
そこで、反対の出来事を考えます。
誕生日が一致する確率=1-全員の誕生日が違う確率
という計算です。
このように、反対の出来事から確率を求める考え方を「余事象」と呼びます。
① 1人目の誕生日
1人目は、どの日が誕生日でも問題ありません。
したがって、
365÷365=1
です。
② 2人目の誕生日
2人目が1人目と違う誕生日になる確率は、
364÷365
です。
③ 3人目の誕生日
最初の2人の誕生日が違っていた場合、3人目がそのどちらとも違う確率は、
363÷365
です。
このように、全員の誕生日が違う確率を順番にかけ合わせていきます。
④ 23人全員の誕生日が違う確率
23人の場合は、
365/365 × 364/365 × 363/365 × … × 343/365
となります。
これを計算すると、
約0.4927=約49.3%
です。
つまり、23人全員の誕生日が違う確率は、約49.3%しかありません。
⑤ 誕生日が一致する確率を求める
最後に、1から引きます。
1-0.4927=0.5073
したがって、
23人のうち少なくとも2人の誕生日が一致する確率は約50.7%!
となります。
「自分と同じ誕生日の人がいる確率」とは違う?
ここで、間違えやすいポイントがあります。
23人の中に「誰かと誰かが同じ誕生日の人がいる確率」は約50.7%です。
しかし、「23人の中に自分と同じ誕生日の人がいる確率」は、まったく違います。
自分を含めて23人なら、自分以外の22人が比較対象です。
誰も自分と同じ誕生日にならない確率は、
(364/365)²²
です。
したがって、少なくとも1人が自分と同じ誕生日になる確率は、
1-(364/365)²²
≒5.9%
となります。
| 比較する内容 | 確率 |
|---|---|
| 23人のうち誰か2人の誕生日が一致 | 約50.7% |
| 23人のうち誰かが自分と同じ誕生日 | 約5.9% |
「誰でもいいから2人が一致」と「特定の1人と一致」では、確率が大きく違うのです。
これが、誕生日のパラドックスの面白いところです。
🎓 誕生日のパラドックスをもっと楽しむ『10歳からの確率やってみた!』
今回紹介した「誕生日のパラドックス」を、実際に取り上げている本があります。
それが『おもしろいほどキミの直感を裏切る!~10歳からの確率やってみた!』です。
著者:横山明日希/イラスト:カケヒジュン/出版社:くもん出版
この本には、「これって運命?! クラスに同じ誕生日の人たちがいる確率は?」という問題が収録されています。
さらに、ガチャや福引き、コイン投げ、モンティ・ホール問題など、直感だけでは答えを間違えやすい確率の問題も登場します。
マンガや会話形式で進み、クイズや実験を通して確率を学べるため、数学に苦手意識がある人にも取り組みやすい一冊です。
誕生日のパラドックスで数学の意外性を感じた人に、ぜひ読んでほしい本です。
関連記事|ガチャやドラフトにも「確率の落とし穴」がある!
誕生日のパラドックスと同じように、私たちの直感が外れやすい確率の問題はほかにもあります。
例えば、当選確率1%のガチャを100回引いても、1回以上当たる確率は約63.4%。一度も当たらない確率が約36.6%もあります。

また、プロ野球ドラフト会議のくじ引きでは、先に引いても後から引いても、抽選前の当選確率は同じです。

どちらも、直感ではなく数学で考える面白さが分かるテーマです。
まとめ|23人で誕生日が一致するのはなぜ?
誕生日のパラドックスでは、23人のグループで少なくとも2人の誕生日が一致する確率は、約50.7%になります。
その理由は、23人から2人を選ぶ組み合わせが253組もあるからです。
そして、正確な確率は「全員の誕生日が違う確率」を先に求め、1から引くことで計算できます。
1-約0.4927=約50.7%
1年は365日もあるのに、たった23人で50%を超える。
身近な出来事にも、数学で考えると意外な発見が隠れているのです。
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