自動販売機の横にあるリサイクルボックス。飲み終わったペットボトルや缶を入れたことがある人も多いでしょう。
2026年10月15日、全国清涼飲料連合会が発表した調査で、気になる数字が明らかになりました。
リサイクルボックスに、飲料容器以外の異物を入れたことがある人の割合は、2025年の21.1%から2026年の29.9%へ上昇しました。
その差は8.8。
では、これは「8.8%増」と表現してよいのでしょうか?
結論からいうと、「8.8%増」ではなく「8.8ポイント増」が正確です。
増加率を「%」で表すなら、約41.7%増となります。
この違いを、実際の調査結果から数学で解説します。
リサイクル箱への異物投入|21.1%から29.9%に

10月20日の「リサイクルの日」に向けて、全国清涼飲料連合会は清涼飲料水の容器に関する消費者意識調査を発表しました。
自動販売機横のリサイクルボックスに、過去1年間で飲料容器以外のものを入れた経験について、調査結果は次のようになっています。
| 調査年 | 入れたことがある人の割合 |
|---|---|
| 2025年 | 21.1% |
| 2026年 | 29.9% |
| 差 | 8.8ポイント |
2026年の調査では、全国の15〜69歳で、外出先でペットボトル飲料を飲む人1,037人が回答しました。
ここで注意したいのは、29.9%という数字の意味です。
これはリサイクルボックスの中身の29.9%が異物だったという意味ではありません。
「過去1年間に異物を入れたことがある」と回答した人の割合です。
それでは、この8.8という差を数学で考えてみましょう。
なぜ「8.8%増」ではなく「8.8ポイント増」なの?
2025年と2026年の割合を引き算すると、
29.9%-21.1%=8.8ポイント
となります。
このように、パーセントで表された2つの割合の差を示すときに使う単位が「ポイント」です。
例えば、ある学校でテストに合格した人の割合が60%から70%になったとします。
70%-60%=10ポイント
この場合も「10ポイント上昇」と表現します。
「10%増」と言ってしまうと、別の意味になるのです。
本当の増加率は何%?計算すると約41.7%

「何%増えたか」を計算するには、元の値を基準にする必要があります。
増加率の公式は次のとおりです。
増加率(%)=(新しい値-元の値)÷元の値×100
今回の調査に当てはめると、
(29.9-21.1)÷21.1×100
=8.8÷21.1×100
≒41.7%
つまり、2025年の21.1%を基準にすると、2026年の29.9%は約41.7%大きい割合です。
整理すると、次のようになります。
| 表現 | 数字 | 意味 |
|---|---|---|
| ポイント増 | 8.8ポイント | 割合どうしの差 |
| %増 | 約41.7% | 元の割合に対する増加率 |
どちらも正しい計算ですが、表している内容が違います。
「8.8%増」だったら何%になる?

では、本当に21.1%から「8.8%増」だった場合、いくつになるでしょうか?
21.1×(1+0.088)
=21.1×1.088
=22.9568
つまり、約23.0%です。
実際の調査結果は29.9%なので、かなり違います。
- 21.1%から8.8ポイント増 → 29.9%
- 21.1%から8.8%増 → 約23.0%
この違いを知っていると、ニュースの見出しを正しく理解できるようになります。
異物を入れる人が約4割増えた、と言い切れる?
ここまでの計算から、回答割合の増加率は約41.7%と分かりました。
ただし、全国で異物を入れた人の実数が約41.7%増えた、とまでは言えません。
今回比較しているのは、別々の年に実施されたアンケートの回答割合だからです。
調査対象は外出先でペットボトル飲料を飲む15〜69歳の人で、すべての国民を調べたものではありません。
また、同じ1,037人が2年連続で回答したという意味でもありません。
したがって、今回のニュースでは、
「異物を入れた経験があると回答した人の割合が8.8ポイント上昇した」
と表現するのが最も正確です。
数字の計算が正しくても、その数字が何を表しているのかを確認することが大切です。
🎓 統計をマンガで学ぶ『マンガ 統計学が最強の学問である』
今回の調査のように、ニュースにはさまざまな割合や増加率が登場します。
そんな数字の読み方を、もっと体系的に学びたい人におすすめなのが『マンガ 統計学が最強の学問である』です。
原作・解説:西内啓/マンガ:うめ(小沢高広・妹尾朝子)/出版社:ダイヤモンド社
ビールメーカーで働く営業マンが、統計学を使って仕事の課題に向き合う物語です。
マンガを読み進めながら、データを集める意味や、分析結果を判断に生かす考え方を学べます。
今回の「8.8ポイント増」と「約41.7%増」のように、数字は計算方法だけでなく、何を基準にしているかが重要です。
統計学への入り口として、手に取ってみたい一冊です。
関連記事|ニュースで学ぶ数字の読み方
55万人と80万人、どっちが本当?
フランスのデモ参加者数について、発表元によって25万人もの差が生まれました。
推計人数の違いや、数字を比較するときの注意点を数学で解説しています。

景況感DIがマイナス53とは?
景気に関する数字も、割合の計算方法を知らないと誤解することがあります。
「マイナス53」は、53%の人が景気を悪いと感じているという意味なのでしょうか?

まとめ|「%」と「ポイント」は使い分けよう
2026年の調査では、自販機横のリサイクルボックスに異物を入れた経験があると回答した人の割合が、前年の21.1%から29.9%になりました。
この変化は、
- 8.8ポイント増:29.9-21.1
- 約41.7%増:8.8÷21.1×100
と表せます。
一方、「8.8%増」と書くと、元の21.1%に対して8.8%増加したという意味になり、今回の結果とは異なります。
「ポイント」は割合の差、「%増」は元の値に対する増加率。
この違いを覚えておくだけで、ニュースの数字をずっと正確に読めるようになります。
🎓 数学をもっと体系的に学ぶ
「公式は覚えたけれど、なぜそうなるのかわからない」
「確率や統計を、もう一度基礎から学び直したい」
そんな方におすすめなのが、スタディサプリです。
数学は、公式をただ暗記するよりも、「なぜその式になるのか」「どんな場面で使えるのか」を理解することで、ぐっと面白くなる教科です。
スタディサプリなら、学校の授業だけでは理解しきれなかった単元も、映像授業を通して自分のペースで復習できます。
スタディサプリで数学を学ぶメリット
- ① プロ講師によるわかりやすい映像授業
教科書や問題集を読むだけではつまずきやすい内容も、講師の解説を聞きながら理解を深められます。 - ② 苦手な単元まで戻って学び直せる
数学は積み重ねの教科です。今の内容が難しいと感じたら、必要に応じて前の単元に戻り、基礎から理解を積み上げられます。 - ③ 自分のペースで繰り返し学習できる
一度で理解できなかった部分も、映像授業なら繰り返し確認できます。わかるところはテンポよく、苦手なところはじっくり学べるのも魅力です。 - ④ スマホやパソコンで学習できる
まとまった時間が取れない方でも、自宅やスキマ時間を活用して学習を進められます。 - ⑤ 計算だけでなく、数学の考え方を身につけられる
方程式・関数・確率・統計などを体系的に学ぶことで、日常生活やニュースに登場する数字を理解するための土台づくりにもつながります。
「なんとなく解ける」から「理由まで説明できる」へ。
この記事をきっかけに数学の面白さを感じた方は、スタディサプリで基礎からじっくり学び直してみてはいかがでしょうか。

