「これだけ外れが続いたんだから、次こそ当たるはず!」
ガチャやくじ引き、コイン投げなどで、こんなふうに考えたことはありませんか?
しかし、毎回の結果が独立しているなら、何度外れても次に当たる確率は変わりません。
例えば、表と裏が同じ確率で出るコインで、5回連続して裏が出ても、6回目に表が出る確率は50%のままです。
このように、過去の結果によって次の確率が変わると思い込むことを「ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)」と呼びます。
なぜ私たちは「そろそろ当たる」と感じてしまうのでしょうか?
5回連続で裏が出た!次に表が出る確率は?

公平なコインを投げたとき、表が出る確率と裏が出る確率は、それぞれ50%です。
では、次のような結果になったらどうでしょうか?
| 回数 | 結果 |
|---|---|
| 1回目 | 裏 |
| 2回目 | 裏 |
| 3回目 | 裏 |
| 4回目 | 裏 |
| 5回目 | 裏 |
| 6回目 | ? |
5回も裏が続いたのだから、次は表が出やすいように感じます。
しかし、答えは50%です。
コインは、過去に何回裏が出たかを覚えていません。
6回目の結果は、それまでの5回とは無関係に決まるからです。
このように、ある出来事の結果が別の出来事の確率に影響しないことを、確率では「独立」といいます。
「そろそろ当たる」と思うのはなぜ?ギャンブラーの誤謬とは
ギャンブラーの誤謬とは、独立した偶然の出来事について、過去の結果が次の結果に影響すると誤って考えることです。
例えば、次のような思い込みが当てはまります。
- コインで裏が続いたから、次は表が出やすい
- ガチャで何度も外れたから、次は当たりやすい
- ルーレットで赤が続いたから、次は黒が出やすい
いずれも、毎回の結果が独立している場合には間違いです。
私たちは、偶然の結果でも「表と裏は交互に出るはず」「当たりと外れは適度に混ざるはず」と考えがちです。
ところが、本当にランダムな結果には、同じものが何度も続くことがあります。
「偏りが続いたから、次は反対の結果で帳尻が合う」という仕組みはありません。
10回連続で裏が出る確率は低いのに、なぜ次も50%?

ここで疑問が生まれます。
「10回連続で裏が出る確率は低いのに、次も裏が出る確率が50%なのはおかしくない?」
実は、ここには2つの異なる確率があります。
最初から10回連続で裏が出る確率
公平なコインで10回連続して裏が出る確率は、
(1/2)¹⁰=1/1024
つまり、約0.098%です。
確かに、とても珍しい出来事です。
すでに9回連続で裏が出た後、10回目も裏が出る確率
一方、9回連続で裏が出たことが分かっている場合、10回目も裏が出る確率は、
1/2=50%
です。
過去の9回は、すでに起こった出来事だからです。
| 考える出来事 | 確率 |
|---|---|
| 最初から10回連続で裏が出る | 約0.098% |
| 9回連続で裏が出た後、次も裏が出る | 50% |
「これから10回続く確率」と「すでに9回続いた後の次の確率」は別物なのです。
ガチャで100回外れたら、101回目は当たりやすい?

当選確率1%のガチャを考えてみましょう。
毎回の抽選が独立していて、当選確率が変わらないとします。
この場合、100回連続で外れても、101回目に当たる確率は1%です。
| これまでの結果 | 次の1回の当選確率 |
|---|---|
| まだ1回も引いていない | 1% |
| 10回連続で外れた | 1% |
| 50回連続で外れた | 1% |
| 100回連続で外れた | 1% |
何回外れても、次の1回の確率は同じです。
ただし、100回引く間に1回以上当たる確率は、1%ではありません。
こちらは約63.4%になります。
「100回のうちに当たる確率」と「100回外れた後の次の1回の確率」は、区別する必要があります。
この違いは、下記の関連記事で詳しく解説しています。

注意!ガチャの「天井」などがある場合は別
すべてのガチャで、当選確率が一定とは限りません。
例えば、一定回数で当たりが保証される「天井」や、抽選回数に応じて当選確率が上がる仕組みがあれば、過去の結果や回数が次の当選確率に関係します。
ギャンブラーの誤謬が当てはまるのは、試行が独立していて、確率が変わらない場合です。
実際のゲームでは、それぞれの抽選ルールを確認することが大切です。
大数の法則は「そろそろ当たる」という意味ではない!
「でも、コインを何度も投げれば、表と裏は半分ずつになるんじゃないの?」
そう思った人もいるかもしれません。
これは「大数の法則」と関係しています。
公平なコインを何度も投げると、表が出た割合は、試行回数が増えるにつれて50%に近づいていきます。
ただし、大数の法則は、次の1回で過去の偏りが修正されるという意味ではありません。
例えば、100回投げて表が60回、裏が40回だったとします。
この後、表と裏の回数を同じにするために、裏が出やすくなるわけではありません。
次の1回も、表と裏はそれぞれ50%です。
長い目で見た「割合」と、次の1回の「確率」を混同しないことが重要です。
また、確率には、ほかにも私たちの直感を裏切る現象があります。
例えば、たった23人のグループでも、少なくとも2人の誕生日が一致する確率は約50.7%になります。
なぜそんなに高い確率になるのか、気になる人は下記の関連記事も読んでみてください。

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前半では、くじ引きや誕生日、ガチャなど、身近な確率の話題も楽しめます。
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まとめ|「次こそ当たる」は確率の根拠にならない
ギャンブラーの誤謬とは、過去の結果によって、次の偶然の結果が変わると思い込むことです。
公平なコインで何度も裏が続いても、次に表が出る確率は50%。
当選確率が一定の独立したガチャなら、100回外れても、次の当選確率は変わりません。
覚えておきたいのは、次の一点です。
過去に何が起きたかではなく、次の試行の確率がどう決まるかを考える。
「そろそろ当たる」という直感に頼らず、確率の仕組みを理解することが大切なのです。
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